固定資産税(償却資産)講座
固定資産税(償却資産)講座 第4回:固定資産台帳作成が経営の根幹だった(4)
一般財団法人 資産評価システム研究センター 特任講師 笹目 孝夫
最終更新日:
2017年04月14日
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キャシュフロー経営と税務調査
前回は「虚偽」の固定資産台帳の提示について書きました。地方税務職員が、固定資産台帳の「虚偽」について、指摘します。すると、担当者から「これは虚偽でも、ましてや悪意でもない」といわれるときがあります。
そして、さらに地方税務職員が問い詰めると、中小企業の人の中には「役所や、大企業とは、そもそも違うのだ。そんなきれいごとでは、経営は務まらない」とつぶやく人が現れます。「今は、企業としては社員の給与を払うこと、資金繰りを考え、事業拡大すること、販売不振を打開することなどを優先すべきなのだ」と力説します。そして、そのような企業は、誠実に忠告をしてくれる税理士の声には耳を貸さず、とりあえず合わせてくれる税理士にくら替えするというようなことも起こってきます。
一般財団法人 企業共済協会の「企業倒産調査年報(2015年度)」によると倒産原因の1位は「販売不振」で、2位は「既往のしわよせ」(会社の業績が悪化していく中、現状から目を背け、指をくわえて状況を見守っていた結果による倒産)となっています。
そこで、ほとんどの経営者は「販売不振」「既往のしわよせ」を避けるためにも、「売上高」「原価率」「人件費」などを考えます。そして、まずはキャシュフローを、重要と考え、キャシュフロー根幹とした経営を実践していきます。
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